07.12.2012
最近のニュースに私的コメント
「安価な労働力は終わり」 ユドヨノ大統領が言明
一部の地域で大幅上昇となった2013年最低賃金に絡み、ユドヨノ大統領は11月30日に、「安価な労働力の時代は終わった」と言明した。
これの意味するところはとてつもなく深くて広いと思う。と言うのも、このことを実現するには多くの矛盾を解決しなくてはならないからだ。
すぐに思いつくのは、周囲のアセアン諸国とのコスト競争力が低下して、外国投資が減少するのではないかと言うことだ。インドネシアは他の諸国と異なり、国内需要と外国投資が経済発展を支えているからだ。
次には、確かにジャカルタ周辺の経済発展は目を見張るものがあるが、地方との格差は益々広がっており、それらの地域を切り捨ててしまうのかという疑問である。
大統領の発言の背景には、賃金の急上昇はインドネシアに限らず、タイやベトナムでも同様に起きていることや、都市部の所得向上で国内需要が益々強固になるといった読みがあるのだろう。
日本のある投資家がインドネシアの工業大臣に、ジャカルタから50Kmくらい東にある工業団地群の一画に3,000ヘクタール(5Km×6Km)の土地を探して欲しいと要請したとのことだ。今後15年は日本からの投資が続くと言うのがその理由らしいが、大統領はそんな大きな流れを見据えているのかもしれない。