インドネシア進出問答集 生活環境編-2 使用人とどのように接するべきか
社長:インドネシアでは家に使用人を置くのが普通のようですが、日本人の家でも絶対に必要なのでしょうか?
小野:絶対という訳ではありませんが、インドネシアは一般庶民の家でも、住み込みや通いの使用人(インドネシア語表現を直訳すると家事手伝い人)を置いており、世の中の仕組みがそれを前提にしています。そのため、日本人の家庭でも使用人が居ないと、外出する際に不用心になるとか、色々と不都合なことが生じると思います。
社長:使用人には具体的にどんな仕事をさせるのでしょうか?
小野:家事手伝い人と呼ばれる通り、女性が担当するのは炊事、洗濯、掃除が基本で、必要に応じて二人以上を雇い、子守などもお願いします。家庭車と呼ばれる家族用の車の運転手を個人で雇う場合は同じく使用人に含まれますが、最近は運転手派遣会社に委託するケースも多いようです。また、アパートに住む場合は該当しませんが、一軒家を借りて住む場合は、夜警を使用人として雇う場合もあります。
社長:良い人を探すにはどうしたら良いのでしょうか?
小野:インドネシア駐在員の間では昔から『女中さんと運転手さんは永遠の課題』と言われるほど皆さん苦労をされています。有料の紹介機関もたくさんありますが、あまり良い評判は耳にしません。知り合いの日本人宅で働いている女中さんに、友達や親族を紹介してもらうのが一般的と思われます。
社長:一つ屋根の下で生活する中で、気を付けなければいけないことは何でしょうか?
小野:生まれ育った環境は全く違いますから、見ていてイライラすることが多々あると思います。しかし、そこで頭ごなしに叱ってしまうと、彼女達はプライドを傷付けられたという感傷しか抱きません。中にはインドネシア語の読み書きが出来ない人もいます。彼女達の国に住まわせて頂いていることを忘れずに、一つ一つ根気よく教えていく覚悟が必要です。実際、日本人の奥様達に、そのようにして立派に育てられた女中さん達を、たくさん見て来ました。奥様方にとっても、今の日本ではなかなか出来ない貴重な体験であると思います。