インドネシア進出問答集 国内市場編-3 国内市場をアセアン域内に広げる
社長:インドネシアの工場で製造した製品をインドネシア国内で販売するだけではなく、アセアン諸国に輸出することも可能性としてはあるでしょうか?
小野:過去半世紀を振り返って見ても、大きな流れとしてはそうなると思います。インドネシア、タイ、マレーシア、フィリピン、シンガポール、ブルネイ、ベトナム、カンボジア、ラオス、ミャンマーの10ヶ国から構成されるアセアンの全人口は約6億人になります。そしてこれらのほとんどの国々はこれからも高い経済成長を持続するものと思われます。インドネシアはこのように、消費市場として大きな潜在力を持っている地域に囲まれている訳です。
社長:部品の供給基地として発展する可能性はどうでしょうか?
小野:インドネシアよりも人件費の安い国々への工場立地はこれから益々盛んになることでしょう。それらの国々よりも産業化が少し進んでいるインドネシアから部品を輸出するケースは多くなると思います。アセアン地域内の貿易は関税が撤廃されていますから、これからお互いの強みを活かした物やサービスの交易が、急速に発展するのではないかと期待しています。
社長:完成品を輸出する際に、そこの市場において、日本製ではなくインドネシア製であることに対する抵抗感などはありませんか?
小野:私の経験でも輸入先の中には確かに最初は心配する人もいました。しかし、実際に製造しているのは日系企業であることの安心感と、インドネシア製であることによる低価格への納得感で、市場に定着したことは事実です。また、それを足掛かりにして、その日には日本、欧米へと市場を広げた商品もあります。
社長:でも輸出先での販路を開拓するのはなかなか大変ではないですか?
小野:Google Earthでアセアン全域をじっと見てみて下さい。インドネシア国内出張と同じような感覚で、アセアン域内を動き回れると思いませんか?