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14.02.2013 出島『海外ビジネスコラム』原稿

インドネシアで仕事をする時の小話的アドバイス 【的を射ていた素人の発想】

 工芸品的な商品をインドネシアで作ることになり、まずは現地で既存の業者を使っての委託生産が出来ないか調査することになりました。そして、本社からその商品のエキスパートに同行してもらい、当時インドネシア国内にいくつかあった工場を訪問することから始めました。

 その中で最も優れたものを作っていたのが、最も規模の小さな工房レベルのところで、親爺が若い頃からの趣味と実益を兼ねて、楽しそうに仕事をしているところでした。その作り方をどこで仕入れたのかと聞いたところ、商品を紹介した昔の雑誌を一冊読んだだけで、作り方については自分で考えて工夫したとのことでした。

 その方法が世界中の小さな工房で作られている有名ブランドのものとほとんど同じであることから、どこかで勉強したか見学したことがあるのだろうと追求したのですが、その生まれつき正直そうな親爺は、あくまでも自分の創意工夫であるとして、断固として譲りませんでした。

 数人の若者に仕事を教えながら、自分も鼻歌を歌いながら如何にも楽しそうに作業をして、出来上がった商品をポンコツトラックに積み込んで、自分で運転しながらジャカルタの顔なじみのお店に売りに行く、そんな牧歌的な仕事をしている親爺でした。

 その後、取引数量が大きくなった際に、インドネシアでも有数な産業機械メーカーの技術部長をしていると言う奥方の弟が間に入って来て、色々とうるさく要求を突き付けて来たことから、残念ながら親爺との縁は切れてしまった。

 本社のエキスパートと親爺が会話をしている時は、お互いに波長が良く合う様子で、親爺は相好を崩したままとても楽しそうで、インドネシアには色々な人がいるものだと、しみじみと感じたものでした。

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