インドネシアで仕事をする時の小話的アドバイス 【イスラム女性のスカーフ】
当時も日本人スタッフと現地人スタッフとの間で揉めたことですが、イスラム教の女性が頭から被るスカーフ(ジルバブ)の使用の是非を巡り、労働争議に発展しているニュースを今でも散見します。
確かに回転機械がある職場では、巻き込まれると死亡事故につながる恐れがあります。しかし、首の辺りをしっかりと締めて、裾を作業服の中にしまい込めば大丈夫です。作業帽の下から長い髪の毛を出しているよりは安全かもしれません。
お互いに冷静に話し合えば解決策はあるものです。この問題に限りませんが、労働争議で揉めているところは、案外感情的なところから発展しているのではないかと推測されます。当時、私の部下だった日本人はインドネシアに赴任してまだあまり長くなかったのですが、この問題について最初は頑なな態度で拒否していました。しかし、自分でも色々と考えた結果、上記のような条件で使用を許可することにしたのです。余談ですが、本人はその後インドネシアの女性と結婚し、定年後は奥さんの故郷で余生を送ることに決めているそうです。
最近はインドネシアでもイスラムファッションというのが流行しており、女性が頭から被る布も、中東で見られるような黒一色ではなく、とても華やかな色やデザインが好まれているようです。金曜日の礼拝の後の説教を聞きに集まった夫人達の衣装も、お花畑のような華やかさがあり、見ていて楽しくなります。ショッピングモールにもイスラムファッションの専門店が多く、一つの大きなビジネスとして捉えられています。
日本企業では作業服を支給しているところが多いと思いますが、日本の作業服のデザインをそのまま踏襲するのではなく、女性用については上着の襟の辺りに、スカーフ(ジルバブ)を被ることを前提にしたデザインがあっても良いのではないかと感じています。