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26.12.2013 最近のニュースに私的コメント

フゲン将軍の後継者はまだ存在する

imagesジャカルタの街中を走るバジャイと呼ばれる三輪タクシーの中に仕事のデータが入った携帯を忘れた男性が、地区の警察署に捜索願いを出した時のニュースです。

クリスマスミサの警備の手配でごった返す警察署に行った時は、これはだめだと諦めかけたのですが、担当の警官に話したところ直ちに対処してくれて、幸運にもバジャイの運転手のスラム街にある家を探し出し、携帯は無事に男性の手元に戻ったとのことです。

男性は協力してくれた警官に、お礼の気持ちとして、足代を提供しようとしたらしいのですが、その警官は1ルピアも受け取らなかったらしく、この男性は感激しして、『フゲン将軍の後継者はまだ存在する』と記者に語ったそうです。

フゲン将軍とは、元警察軍長官で四星の大将でしたが、陸軍の同僚で独立戦争の戦友でもある、スハルト大統領の汚職体質を非難し、下野してからもペンによる反体制組織の幹部を務めた人です。一時は自宅監禁状態に置かれ、飛行機に乗ることも禁止されたりしたのですが、いつ投獄されても良いように、常に身辺を整理していたと聞いていました。

ほとんどの退役高級軍人がその政治的立場を利用し、利権に基づく暴利を得ている中で、フゲン将軍はそれらを全く利用せず、恩給として軍から払い下げてもらった古い家と車だけの、赤貧の老後を送りました。

縁があって子息がヤマハ(楽器)のインドネシア事業のパートナーになったことから、時々お会いすることがありましたが、太平洋戦争当時にインドネシアを統治していた日本軍のある将校の薫陶を受けた、心優しい武士の雰囲気を持つ人でした。

汚職のニュースが溢れる昨今のインドネシアでの爽やかなニュースと、フゲン将軍は今でも庶民から尊敬を集めている事実を知り、心が温まりました。

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