2. 製品およびサービスの開発
2-1. 既存商品の評価:コスト、品質、納期に対する潜在的な改善点の特定
自社の商品をインドネシア国内市場で製造販売することを考えている場合、販売先が企業であろうと、または消費者であろうと、日本よりも低価格で売ることが要求されるでしょう。特に最終顧客が一般大衆である場合、インドネシアの物価は全般的に日本の十分の一ですから、かなり厳しいコストダウンを要求されます。
1970年代からインドネシアに進出している様々な業種の日系企業は、日本と比べて圧倒的に購買力の低いインドネシア国内市場で自社の商品を買ってもらうために、色々な創意工夫を重ねて来ました。成功事例に共通していることはインドネシアの消費者の実態を良く研究していることだと思います。業種は違っても参考になることは少なくないと思いますので、インドネシアに永く住んでいる日本人と交流出来る団体を通すなどして、是非勉強して下さい。
自社の商品をインドネシアから輸出することを考えている場合、ほとんどはコストダウンによる輸出先での競争力強化ですから、国内市場向けと同様にインドネシアだから出来ることを工夫しなくてはなりません。
その際、最大の障害となるのは外部要因ではなく、品質を落としてはいけないと言う日本人の真面目さや潔癖性でしょう。日本人は絶対的な品質を求めがちですが、市場と価格に合った相対的な品質とは何かを考える必要が出て来るでしょう。
2-2. 商品化の準備:設計から試作、そして生産まで
上記の商品を実現するための具体的な設計や試作を日本で行うとなかなか思うように目標価格をクリア出来ないと思います。インドネシアならではの特徴を生かすには、やはりインドネシアの環境の中で進める方が良いようです。インドネシア化に成功した商品のほとんどはそのような方法で設計や試作を進めて来たと聞いています。
本社の設計や試作職場の雰囲気を良く見て置き、インドネシアで進める場合に日本に頼らなくてはいけないことは何かを事前に把握しておき、その際に応援してくれる理解者を確保しておくことも大事な準備です。