14.06.2021
最近のニュースに私的コメント
渾沌とした次期大統領選挙の動きが早くも始まる
次期大統領選挙は2024年ですが、早くも選挙に向けた動きが始まっています。
有力候補と目されているのは、現国防大臣のプラボウォ氏、首都ジャカルタ州知事のアニス氏、中部ジャカルタ州知事のガンジャル氏、スラバヤ市長のリスマ氏などですが、いずれの候補も今のところの支持率は10%台で、本命と目される人はいません。
ここで急速に注目を集めているのが、初代大統領スカルノ氏の孫で、大4第大統領で与党第一党のインドネシア闘争民主党党首であるメガワティ氏の娘として、国会議長を務めるポアン氏です。
連立政権を組んでいる野党グリンドラ党(偉大なるインドネシア運動党)の党首で、現大統領と過去2回の大統領選挙を戦った、現国防大臣のプラボウォ氏とタッグを組んで立候補しようとしているようです。
ポアン氏の党内では他党の党首の副大統領候補は如何なものかと反対もあるようですが、もしもプラボウォ氏が副大統領で良いと譲ったらどうなるでしょうか。
その鍵となるのは、憲法では5年2期と規定されている大統領の任期を3期に伸ばして、現職のジョコウィ大統領をさらに5年続けさせようという動きです。
2回の大統領選挙で敗れて、今はその下で国防大臣として大人しくしているプラボウォ氏がもしも臥薪嘗胆の日々を送っているとしたらどうでしょうか。
スハルト政権時代には国軍エリート幹部、そして娘婿の立場で、次期大統領として自他共に認められていた、人一番高いプライドと野望を持つと言われるプラボウォ氏が、ジョコウィ大統領の3期目当選を黙って見ているとは考えられません。