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20.07.2012 最近のニュースに私的コメント

インドのスズキ自動車工場における暴動

この事件の真相は良く判らないので、この件について語ることは出来ないが、インドネシアの日系企業もこれを対岸の火事とみなすことは出来ない。バリ島はヒンズー教徒が多数を占めるが、インドネシアにカースト制度は存在しない。しかし、多様な種族、言語、宗教から構成されるインドネシアは、国是として『多様性の中の統一』を独立以来掲げている。工場現場にはジャワ人、スマトラ人、バリ人等が混在し、宗教もイスラム教、キリスト教、ヒンズー教と異なる。種族間での喧嘩や対抗意識も、日本では考えられないくらい強い。日本人は彼らにとっては金持ちの異教徒(たまに無宗教であると平気で言う日本人も見受けられるが)である。恥ずかしい話であるが、私は若い頃に、作業中に悪ふざけをしていた従業員を、思わずポカリとやってしまったことがある。工場内は大騒ぎとなり、私は命の危険もあるとして、暫く自宅待機を強制された。最終的に全従業員の前で、私と件の従業員が揃って謝罪した後に握手することで解決となったが、今思い出しても冷や汗が出て来る。このように争いごとが起こるたびに痛感したのが、インドネシアで古くから尊重されている争いの解決方法、ムシャワラ・ムファカットすなわち、話し合いによる全員一致の意見、である。インドネシア社会では今でも、そしてこれからも生き続ける、日本人も尊重しなくてはいけない、大事な文化であると思う。

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