インドネシア進出問答集 投資条件編-3 操業開始までの許認可手続は大変か
社長:インドネシアで会社を立ち上げるには非常に多くの許認可手続が必要だと聞いていますが、どれくらい大変なのでしょうか?
小野:ある専門家の調査によれば、アジア諸国の中ではワーストスリーに入るとも言われています。確かに全ての許認可事項を挙げてみると最大で50件を超え、それらに必要な書類の種類も100件を超えるようです。
社長:インドネシア政府は外資導入を促進したいようですが、簡略化の動きはないのでしょうか?
小野:あります。投資の窓口は投資調整庁(BKPM)というお役所なのですが、以前からNational Single Window for Investment (NSWi)というキャンペーンを展開しており、2012年の6月に就任した新長官も、日本を訪問した際には書類の簡略化とオンラインでの進捗確認システムを約束しました。しかし、実際の許認可は法務人権省や商業省、そして立地する場所の地方政府にも広くまたがっており、なかなか簡単には行かないようです。
社長:皆さんどのように対処しているのでしょうか?
小野:専門の部署やスタッフを抱えている大企業は別として、多くの外国投資会社は現地のコンサルタントに手続代行を依頼しています。
社長:だいたいどんな許認可を取得する必要があり、どれくらいの時間がかかるのでしょうか?
小野:大きく分けて、投資認可、会社設立、事業許可、外国人就業許可、輸入許可、工場建設許可、輸入税優遇措置などがあります。全てクリアするには6ヵ月から1年くらいかかると見た方がよいでしょう。
社長:代行費用はどれくらいかかるのでしょうか?
小野:最低100万円は覚悟して下さい。但し、この中には窓口で必要な経費や、公証人への報酬なども含まれており、半分以上は必要経費と思われます。
社長:インドネシア政府主催のセミナーで聞いたところでは、もっと速くて、窓口での費用も基本的に不要となっていますが・・・?
小野:投資件数が急増している昨今の事情では、とても公式の日数で処理されるとは思えません。費用については建前通りで出来ない訳ではありませんが、さらに時間がかかることを覚悟しなくてはいけないでしょう。
社長:自分で手続をすることは出来ないのでしょうか?
小野:出来ないこともないでしょうが、社長の給料を考えたら全く割に合わないでしょうね。蛇の道は蛇ですから、辞めておいた方が無難です。