19.02.2013
出島『海外ビジネスコラム』原稿
インドネシアで仕事をする時の小話的アドバイス 【紛失貨物を売りに来た】
インドネシアに赴任して間もない頃、輸入通関の際に音響スピーカーが梱包ケース毎で紛失することが続けてありました。税関に問い合わせても、調べておく、の一言で、解決の兆しはありませんでした。
そんなある日、電気製品や部品の市場で売られているとの情報があり、行って確かめたところ間違いないので、その場で買い取って来ました。そしたら今度はその紛失したスピーカーを工場まで売り込みに来る輩まで現れたのでした。
これは大変なことになると思い、その後は紛失しても絶対に買い求めることを止めたところ、そのうちに紛失することも無くなりました。最近は輸入通関のシステムが改善されていますから、このような珍事が起こることは無いと思いますが、ジャカルタ港のパンク状態を目にする度に、新たな手法が開発されるのではないかと心配になります。
但し、国内便のばら積み貨物船となると、話はまた違います。たまたま港を見学中に目にした光景ですが、網に入れられた貨物が埠頭に降ろされる直前にこぼれ落ちてしまった瞬間に、どこからともなく現れた数人の男たちが、実に素早い動作でその壊れた梱包箱の中の貨物を持ち去って消えてしまったのです。
インドネシア国内市場向けでも貨物船で他島に搬送される製品は、それは頑丈で決して綺麗とは言えないような木箱梱包にしていたものですが、あれは輸送途中の悪路対策だけでなく、盗難防止の意味も大きかったのです。