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21.02.2013 出島『海外ビジネスコラム』原稿

インドネシアで仕事をする時の小話的アドバイス 【リベートに対する意識】

 社用車の整備点検はメーカーのサービス部門に依頼していたのですが、市中の整備工場の方が技術レベルは同じでも価格は安いとの現地人スタッフの薦めで、そちらに変更したことがありました。

 そして、しばらくしてから気が付いたのですが、同じタイプの社用車なのに年間の修理費用の総額にかなりの差があるのです。もしやと思い調べてみたところ、ある運転手が修理工場からリベートをもらうために、一生懸命修理に出していたようでした。

 しかし、リベートの証拠となるものは何も無く、本当に必要だったのかどうか判りませんが、確かに修理の実績は残されているので、その運転手に対しては修理の回数を減らせるように、もっと慎重な運転をするように注意する程度でお茶を濁された次第でした。

 その時のインドネシア人幹部の反応は、別に驚いた様子もなく、どんな取引においてもリベートが付きまとうのは当然と言わないまでも、仕方の無いことだと言いたかった様子でした。

 最近のニュースでは、航空機の取引や公共施設の建設に絡む、桁違いのリベート疑惑が頻繁に取り上げられています。2004年以来の政権与党内でも、汚職事件があまりにも多く、党幹部も絡む事件も摘発されたことから、当の存続に関わる事態にまで深刻化しています。大統領自らが党幹部に対して汚職に関わらない宣誓書に署名をさせるような恥ずかしいイベントもありました。

 あるNGOがまとめた2008年から2012年の国別汚職指数に基づくクリーン度合のランキングでは、シンガポール、デンマーク、ニュージーランドがトップ、日本は香港に次いで17位、インドネシアはベトナムより少し上位の110位でした。

 この種の習慣はインドネシアの元々のものなのか、それともオランダ植民地政府の残した悪習なのか、はたまたオランダ植民地政府の下で経済を支配して来た華僑が中国からもたらした文化なのか、これからも無くなることは期待出来そうにありません。

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