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21.02.2013 出島『海外ビジネスコラム』原稿

インドネシアで仕事をする時の小話的アドバイス 【サービスマンの意識改革】

 当時、アフターサービスは営業部門の下にあったのですが、なぜか体格の良い、少し強面の男達の集まりで、お客からも時々『態度が悪い』とのクレームが来るような、常日頃から不満分子のように扱われ、販売会社における労働組合の結成も彼らが率先して行うという状況でした。

 そこで彼らの再教育の話が持ち上がったのですが、従来の営業部門の人間に任すより、同じ技術分野である工場長が良いだろうとの、あまり根拠の無い配慮から、私が兼務で担当することになりました。

 皆、私より年長者で、この道10年以上の百戦錬磨のつわもの達を、どうやって再教育すれば良いのか、全く当てが無いまま乗り込んだのですが、幸いインドネシア語だけは自信があったので、まずは彼らのこれまでの不満を徹底的に聴くことから始めました。

 給料が安いとか、そんな不満ももちろんあったのですが、根本的なものは自分達の存在価値が正当に評価されていない、ということでした。セールスマンは注文を取って来て周りから派手に賞賛されることはあっても、自分達は問題が無くて当たり前、お客からクレームが来るようなものなら、鬼の首でも取ったように責められる・・・云々でした。

 最初に始めたことは、お客様に安心して家の中に招き入れてもらえるように、身だしなみを整えることでした。髪の毛、髭を綺麗にするだけでなく、清潔感のある制服を揃え、身分証明書も持たせるようにしました。彼らにとっては、会社が注目してくれているということだけでも嬉しかったようでした。

 次に日本でのサービスマン研修に参加する機会を作りました。これはどの分野でも大きなインセンティブとなるため、効果があったことは言うまでもありません。

 日曜日に自宅に設置された浄水装置が故障して水が使えなくなったので、それを販売していた日系の会社に電話したとろ、一時間以内にサービスマンが駆け付けてくれました。そのサービスマンの身だしなみと接客態度には思わず惚れ込んでしまいました。やれば出来るんだ、と励まされたことを憶えています。

インドネシアビジネスサポート