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22.02.2013 出島『海外ビジネスコラム』原稿

インドネシアで仕事をする時の小話的アドバイス 【電子政府と原始政府】

 インドネシア政府は外国投資を呼び寄せる一つの施策として、ほとんどの省庁でオンラインによる許認可申請業務のスピードアップを推し進めています。例えば税関総局における輸入業者番号オンライン登録や輸出入申請、そして投資調整庁における投資申請者によるオンラインでの投資申請の進捗確認などがあります。インドネシア政府はこれをIndonesia National Single Window (INSW)と総称して内外にアピールしています。

 しかし、実際に管理するのはコンピュータそのものではなく、役人であることを忘れてはなりません。オンライン化されても最終的に認可されるまでは何人かの高官の承認が必要なことには従来と変わりはありません。そしてこれらの承認権限には多くのしがらみが絡んでいますから、本人以外に権限を移譲することは滅多にありません。

 昔から良く聞かれる話として、権限を持っている高官が海外視察、あるいは家族旅行のため職場を留守にしている間、全ての許認可事務がそこでストップしてしまった、ということです。つい最近も新規投資に基づく設備の免税輸入手続で、担当の高官が外遊のため手続が遅れ、そのせいもあって想定外の港倉庫での保管料を請求されたとのクレームがありました。

 総体的には間違いなく良い方向に進んでいると思いますが、基本的に形から入る国民性ですので、新しい制度や仕組みに対して糠喜びをしないように気を付けたいものです。

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