インドネシアで仕事をする時の小話的アドバイス 【懺悔するしかありません】
当時から大気汚染や水質汚染に対する法律はありました。しかし、もう時効でしょうから告白しますが、それを厳格に遵守した記憶はありません。他の会社でも厳格に遵守していると聞いたことはありませんでした。そう言えば取り締まりや調査を受けたという話を聞いた記憶もありません。
新しい外資系の工業団地の運営会社に対しては厳しい基準を適用していると聞きます。しかし如何なる事情があるにせよ、インドネシア政府が本当に環境問題を考えているのなら、毎年のように日本の国土に相当する面積の熱帯雨林が焼畑農業で破壊されるのを、軍隊を使ってでも即刻取り締まるべきです。焼畑と言うとジャングルの原住民が生活のために、古来の習慣に従っているように聞こえますが、実態は大企業による資源開発が目的であると言われています。
また、Google Earthのストリートビューやパノラマ写真で見られる、ジャカルタの裏通りの汚染された川の様子は当時以上に酷くなっています。
その一方で、そんなところに植えても仕方無いでしょうと言いたくなる、外資系企業の植林キャンペーンのニュースを観ていると、この国は本気で環境を守ろうとしているのか、私には彼らを非難する資格はありませんが、大きな疑問を感じてしまいます。最近まで環境大臣が独立した省の一つではなく、国務大臣の中の一人でしかなかったと言う事実もそんな疑問の背景にあります。
2014年の大統領選挙に向けて、各党は候補者を絞りつつありますが、スハルト政権時代の実質独裁与党で、現在は野党になっているゴルカル(職能グループ)党は、資源開発を主に手掛ける大財閥のオーナーを候補に予定しています。このグループ会社がインドネシアの僻地で行っている資源開発は、大規模な自然破壊と環境汚染をもたらしているらしいのですが、本当の事情は伝わって来ません。東部ジャワのインドネシア第二の都市、スラバヤで発生した熱泥の噴出による地元民の復興と補償もどこまで済んでいるのか良く判らないのが実態です。
このような国情ですので、環境対策をしっかりやりましょうと従業員に呼びかける際は、上げ足を取られないように会社の考え方を理路整然と確立しておくことが必要です。