インドネシアで仕事をする時の小話的アドバイス 【空き地の草取りは山羊にお任せ】
インドネシアの人口2億4千万人の約9割はイスラム教徒ですので、ヒンズー教徒が多数を占めるバリ島以外では豚が飼育されているところを目にすることはほとんどありません。しかし、鶏は街中であっても走りまわっています。そして、郊外に出ると空き地には牛や山羊がのんびりと草を食んでいる光景を頻繁に目にすることが出来ます。
大抵の場所では牧童が居るような気配も無く、牛や山羊の数頭の群れは朝に草の生えている空き地に来て、夕方になると飼われている所に戻る習性を持っているようです。また、その空き地は必ずしも牛や山羊を飼っている人の土地でもなさそうです。
私が駐在していた工場でも最初の頃は空き地があったのですが、やはり何処からともなく山羊がやって来ては草を食べていました。特にイスラム教の大事なイベントの一つである犠牲祭が近くなると、そのために事前に調達された沢山の山羊があちらこちらで放し飼いされていました。
これからもインドネシアの経済は成長を続けると思われます。そんな環境下で工場を建てる時の一番の失敗は、すぐに土地が狭くなってしまうことです。最初に今の三倍の土地を買っておけば良かったと後悔した時は、時既におそしの状態で、周りの隣接地は完売状態と言うのが普通です。
土地は今必要と思われる広さの三倍買っておく、と言うのが度重なる後悔に基づく私の持論です。勿論、資金と心に余裕があればの話ですが、もし将来的にも利用する目途が立たない場合は売却すれば良いのです。しばらくは土地で損をすることはないでしょう。
熱帯で雑草がどんどん生えて来るところで空き地を抱えていたら、手入れが大変だろうと心配する必要はありません。どこからともなく牛や山羊の群れが現れて食べてくれるでしょう。因みに、山羊を一頭、炭火の上で回しながら焼いた肉を、インドネシアの甘辛ソースと薬味にたっぷり漬けて食べる山羊の丸焼Kambing Gulingは、現地では最高のおもてなし料理の一つです。