2013年12月インドネシア式おもてなし
ジャカルタ中心部にあるレストラン『オアシス』での食事は今年4回目となりました。聞いたところによると、植民地当時のオランダ人の邸宅を改造したレストランで、確かに歴史を感じさせる建物です。
インドネシア料理のフルコースを注文すると、10人くらいの女性が列をなして料理を運んで来て盛り付けてくれますが、駐在当時のインドネシア料理長は、現地パートナーの奥さんのお婆さんで、日本からのVIPを案内した時は、自ら先頭に立って料理の盛り付けをしてくれたものでした。
値段は一人当たり約5,000円で、ワインも5,000円以上と、決して安くはありませんが、お客さんにとっては良い思い出になること間違いありません。
インドネシア式おもてなしとして紹介したかったのは、実はこのレストランではなく、うっかり写真を撮るのを忘れてしまったのですが、チアンジュールに最近出来たホテルでのことです。
チアンジュールという町は、ジャカルタから直線距離で約70Km東南方向にある、美味しいお米で有名なところです。
今回はその町外れにある10室くらいの小さなホテルに一泊したのですが、思いがけない楽しいことがあり、これがインドネシア式おもてなしなんだと一人ほくそ笑んでいました。
最初の出来事はトイレットペーパーについてでした。便器の横に放水ノズルがあるので、トイレットペーパーは必要ないだろうとの説明でしたが、濡れたままでは気持ちが悪いから紙を置いてくれと頼みました。そしたら、二つ返事で近くのスーパーに買いに行ってくれました。しかも、ソフトなペーパーでした。
次の出来事は翌朝のことでした。前の晩に朝ごはんはパンだけと言われたのですが、どうしてもナシゴレン(焼き飯)が食べいたいと我儘を言って、私の分だけ用意してもらうことになりました。そして、翌朝の食堂に行ってみたところパンしかありません。ボーイに聞いてみると、調理のおばちゃんが今市場に買い物に行っているからちょっと待てと言う。そうしているうちに両手に買い物袋を下げたおばちゃんが帰って来て、『ちょっくら待てよ』と言って特製ナシゴレンを作ってくれました。作り立てのナシゴレンは美味かった。
その後、ロビーでしか使えないWi-Fiでメールをチェックしていたところ(インドネシアではロビーでしかWi-Fiを使えないホテルが多い)、ボーイがコーヒーはいらないかと聞くので、ブラックでとお願いした。持って来てくれたコーヒーは色はブラックだったが、大量の砂糖が入っていた。これもインドネシア式おもてなしだと、飲んでから気が付いたのでした。