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21.03.2014 最近のニュースに私的コメント

スハルト時代には戻らないで欲しい

駐在時代の後半にはインドネシア人社員の幹部と毎週のように会社の将来について議論を交わした。そして毎回のように最後はインドネシアの国の将来についての議論になった。いつも議論になったのは、国のいくつかの規模はアメリカと同じなのに、どうしてインドネシアは先進国になれないのか、ということだった。そして結論は国民の教育に充てられる予算が少な過ぎるということであった。

そして当時のスハルト体制についての評価であった。彼らはスハルト大統領の経済発展に対する貢献は素直に認めていた。しかし、その権力体制に与る特権階級の汚職による富の独占には絶望していた。結果的にスハルト体制は30年の長期政権の後、1998年に崩壊した。

しかし、もしも初代大統領のスカルノ体制が継続していたらインドネシアは共産国家になっていたかもしれない。その場合、今のインドネシアはあり得ただろうか。そのスカルノ大統領とスハルト大統領の両氏は、今は名誉を回復され、独立の父、開発の父として国民からは親しまれている。この辺りはインドネシア国民の寛容性に尊敬の念を抱く。

スハルト体制の後は民主化の道を歩み、今年は総選挙と大統領選挙が行われ、次の5年または10年の国の指導者を選ぶことになっている。しかし、民主化の過程で発生した政府高官による酷い汚職により、スハルト強権時代を望む風潮も出始めている。インドネシアの人達にはなんとしてもこの変革の時代を乗り越えて、アセアンだけでなく、世界の先進大国としての道を進んで欲しい。

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