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13.04.2014 最近のニュースに私的コメント

インドネシア国民の民意に対する期待

 4月9日に投票が行われたインドネシアの総選挙では、ジャカルタ州知事を次期大統領候補に担いだ野党の闘争民主党が国会議席数の19%を、スハルト時代の30年間を専制与党として君臨したゴルカル党が14%を、そしてスハルト元大統領の娘婿で、1998年の暴動の原因となるデモ学生射殺を指示したと言われる当時の陸軍特殊部隊の司令官を大統領候補に担いでいる大インドネシア運動党が12%を獲得しました。

 議席数の20%以上を確保しないと、大統領と副大統領の候補を単独政党から出すことは出来ないので、7月9日に予定されている国民の直接投票による大統領選挙に向けて、これら三党を軸に既に連立構築の動きが始まっている。

 トップの闘争民主党が担ぐジョコウィジャカルタ州知事は中部ジャワの市長を皮切りに政治の舞台に現れた、家具やの家に生まれた普通の人である。それに対してゴルカル党と大インドネシア運動党が担ぐ候補はどちらもスハルト専制時代に、それぞれの立場と強権を背景に莫大な財産を築いた特権階級の人達である。

 スハルト体制崩壊後は、ハビビ大統領、ワヒッド大統領、メガワティ大統領がドタバタしながらも民主化に向けた地ならしを行い、その後に初めて国民の直接選挙で選ばれたユドヨノ大統領は2期10間の間に自他共に認める民主国家の基盤を確立した。

 しかし、ユドヨノ大統領も国軍出身の特権階級の一人である。インドネシアが本当に民主国家としての評価を勝ち得るのは、闘争民主党が担ぐ庶民出身のジョコウィ氏が大統領に選ばれ、彼を国民が支え続けることであると思う。

 ソロ市長として市民の信頼を獲得し、その勢いでジャカルタ州知事に駆け上がったジョコウィ氏も、さすがにインドネシアの大統領としてその真価を発揮するには予想もしない壁が待ち構えていると思う。しかし、国民の信頼と忍耐でこのインドネシア維新を乗り切ってくれることを心から祈っている。

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