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15.05.2014 最近のニュースに私的コメント

国の進路を変えるインドネシア次期大統領選挙

 4月9日の総選挙に続き、7月9日の大統領選挙に向けて、インドネシアのメディアは次期大統領と副大統領が誰になるのかでそれぞれの支持を展開しています。注目されているのは現ジャカルタ州知事で闘争民主党が担いでいるジョコウィ氏、スハルト時代に長期与党であったゴルカル党の党首バーグリー氏、同じくスハルト時代に国軍特別師団の将軍で、現在はグリンドラ党の党首ウイボウォ氏でです。

 ジョコウィ氏が中部ジャワの家具工場の息子で、地元のソロ市長としての実行力と市民の絶大な人気を買われて闘争民主党の支持でジャカルタ州知事になったのと対照的に、バーグリー氏とウイボウォ氏はスハルト時代にその権力を背景に莫大な財産を蓄えた人達です。

 私の知り合いのインドネシア人に元大臣がいますが、彼は政治から足を洗い、現在は国際ビジネスに集中しています。理由を聞いたところ、インドネシアでは選挙にあまりにもお金がかかるからとのことでした。前回の総選挙でも、長女が地元の県議会選挙に出るため財産を使い果たしてしまい、本業の資金繰りに苦しんでいる知人がいます。落選したことで選挙資金の借金が返せなくて自殺した人もいるとか、400万円で腎臓を売却する人もいるとニュースでは伝えています。逆に言うと、もし当選すると莫大な利益が期待できるのでしょう。

 10年前の大統領選挙は初めての国民による直接選挙であり、真実の民主化の試金石でしたが、今回の大統領選挙はあまりにも酷い事態になってしまった金と政治の関係を断ち切る試金石になるかもしれません。現地の日本企業は昔から政治には無関心なところが多いのですが、今回の選挙結果如何で外国企業に対する投資環境も大きく変わるかもしれないので是非注視して欲しいところです。

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