31.07.2020
インドネシアでの仕事のアドバイス
インドネシア進出準備
インドネシア進出の落し穴 7.労働組合対策
ジャカルタジャパンクラブのデータによると、2013年中にジャカルタで発生したデモ件数は約1,200件になり、そのうち半数は賃上げや雇用条件を求める労働組合によるデモでした。
これはそれぞれ約20%を占める汚職問題と政治問題のデモを大きく引き離していました。
労働組合のデモのうち先鋭的と言われるインドネシア金属労協が主導したことが明確なものは120件で、全体の10%を占めていました。
立上当初は従業員も少なく、皆、組合活動には関心がないから暫くは大丈夫と思っていたのに、操業開始間もなく労働組合が組織され、待遇改善を要求するストライキのため、数カ月にわたり生産に支障を来した日系企業もあります。
新規に採用された従業員たちは組合結成の意思がなくても、10名を超えるとそれが可能となるため、その地域や業種別組合の上位組織から強制的に作らされるケースもあるため、決して油断してはなりません。
仮にすぐに出来ないとしても、結成は時間の問題と、最初から覚悟を決めた上で対処していくことが肝要です。
最も効果的で、かつ一般的な対処方法としては、経営陣と従業員代表との定期的な意見交換会の実践です。
月に一度、社長以下の実権を持っている日本人およびインドネシア人の総務部長と、従業員の代表が昼食をしながらお互いの意見を述べ合う機会を設けることで、組合結成の意向も聞けるはずです。
ここで大事なことは、言葉が分からないとか、インドネシア人の習慣が分からないとかの理由で、インドネシア人の幹部に任せきりにしないことです。
日本人社長が実権を握っていることを従業員は良く知っていますので、彼らは日本人の社長に出席してもらうことを願っているのを忘れてはなりません。
インドネシア語がまだ良く分からない場合は通訳を使うことになりますが、インドネシア人の通訳は悪意が無くても、時として彼らにとっての善意から、双方の軋轢を避けるために必要以上に意訳したり、部分的に割愛したりすることがあります。
インドネシア語は半年間正しく勉強すれば仕事にも十分使えるようになりますので、日本人がインドネシア語をマスターすることが一番望ましいことです。